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感染症と向き合うための新しい医療用グローブ~抗生剤に依存しない科学技術~

投稿者:武井 昭紘

抗生剤が医療現場で使用されるようになって以来、薬剤耐性菌の出現が後を絶たず、医療関連感染(Hospital Acquired Infection、HAI、院内または在宅での感染)のリスクは、日常生活に影響を及ぼす程に高まりつつある。故に、医療関係者はHAIの抑止に細心の注意を払うべきなのだが、前述の背景の中で、更なる抗生剤投与による防疫を進めれば、状況が悪化し続けることが容易に予想できる。

そこで、クアラルンプール(マレーシア)に拠点を置いて年間300億ものグローブを製造しているHartalega社は、ノッティンガム大学と協力して、抗生剤に依存しない感染症対策を実現する新しい医療用グローブ(AMG Antimicrobial Glove)を開発した。なお、同製品はAMGという抗菌成分でコーティングされており、グローブが光に曝されると、一重項酸素(活性酸素や過酸化水素の総称)を放出し、5分以内に99.999%の病原体を死滅させるシステムとなっている。

2018年6月2日朝日新聞デジタルでも報じられている通り、日本の医療における抗生剤への依存度は非常に高いままである。よって、本稿で紹介した製品をモデルとして、多角的な視点から感染症と向き合うための意識改革を医療業界全体に起こすことが非常に重要なのだと考えられる。

抗生剤に依存しない感染症治療学が発達して、次世代の医療を担うようになっていくことを願っております。

 

参考ページ:

https://hartalega.com.my/innovation/latex-nitrile-glove-product-development/amg-antimicrobial-glove/


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