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幼犬が有する生物学的生存戦略から考える「引き渡し」のベストタイミング

投稿者:武井 昭紘

動物をモチーフにしたキャラクターの一部では、「可愛らしさ」を強く印象づけるために、顔のパーツの配置が工夫されている。これは、野生動物やペットの幼齢期にも当てはまり、親を「可愛らしさ」で惹き付けて世話をしてもらう生物学的生存戦略となっている。しかし、幼齢期は短く、成長とともに容姿は親と近似していくため、離乳期(親離れ、子離れ)へと次第に移行していく。

つまり、前述した移行の瞬間こそ、オーナーになる予定のヒトがペットに愛情を注ぎ始めることを検討する理想的なタイミングと考えられ、動物種または品種で、その時期は千変万化を極めるのではないだろうか。

そこで、アメリカの大学ら(アリゾナ州立大学、テキサス工科大学、フロリダ大学)は、3品種の子犬の顔写真を用いて、「可愛らしさ」のピークを迎える週齢について解析し、以下の結果を得た。

◆親を惹き付けられる「可愛らしさ」のピーク◆
・イタリアンコルソドック:6.3週齢
・ジャックラッセルテリア:7.7週齢
・ホワイトシェパードドッグ:8.3週齢

上記のことから、度々ニュースや議論の的となる「ペットをオーナーに引き渡すタイミング」の決定に対しては、品種ごとに異なる「可愛らしさ」の変遷に関するデータを参考にすることが望ましいのかも知れない。

母犬が子犬に大きな愛情を注いでいる間は、ヒトは一歩引いて見守っているような社会となることを願っています。

 

参考ページ:

https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/08927936.2018.1455454


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