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ラマン分光法を搭載した検査機器による小動物臨床の診療業務の効率化・迅速化

投稿者:武井 昭紘

ラマン分光法とは、1930年、ノーベル物理学賞に輝いた発見、「ラマン効果」を用いて、物質に光を当て跳ね返ってきた波長を測定し、医薬品、生体組織、細胞などの成分を解析するものである。故に、この手法は、様々なアイデアまたは多角的な視点とともに小動物臨床に応用すれば、数えきれない程の動物の命を救う起爆剤となり得る技術であると考えられる。

そこで、ミシガン州に拠点を置くZomedica社は、ラマン分光法による病原体の検出を実現する動物用検査機器(ZM-020)の開発を試みている。なお、同機は、便や尿をサンプルとして、試薬を混ぜることなく、犬の病原体を種レベルまで特定することを目標に掲げているとのことである。

上記のことから、ZM-020が完成すると、時間を要したり、検査法を慎重に選択している「病原体の同定」という作業をラマン分光法に集約することが可能となり、獣医療に革新(効率化、迅速化)が起きるかも知れない。

無数に存在する病原体の特定が、試薬を使わない一つの検査機器で完結出来れば、動物病院の運営にかかる経費・設備投資の削減効果も期待できるのではないでしょうか。

 

参考ページ:

http://investors.zomedica.com/phoenix.zhtml?c=254360&p=irol-newsArticle&ID=2348379


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