猫は、環境変化、感染症、基礎疾患などに起因して、食欲低下・廃絶に陥りやすく、動物病院スタッフやペットオーナーを悩ませることが少なくない。加えて、前述のような例では、食欲増進剤の内服、カテーテル給餌などの対応が検討されるが、経口または経鼻投与自体が更なる状況の悪化（不安定な食欲の有無）を招くこともある。
そこで、サンフランシスコに拠点を置くキンドレッドバイオサイエンス社（Kindred Biosciences, Inc.）は、皮膚から吸収できる食欲増進剤Mirataz™を開発した。なお、同製品は猫の耳介の裏に塗る軟膏タイプで、約2週間で体重増加が期待できるとのことである。
Mirataz™は、アメリカ食品医薬品局（FDA）から承認を受けた初めての非経口型食欲増進剤として、今夏より流通する。将来的に、米国内で有用性が認められ、世界各地の「食べない猫」と、それに頭を抱えるオーナーを救える薬剤へと、Mirataz™が進展していくことを願っている。
治療経過の中で生じる悩みを解消するという視点に立って、利便性を高めた薬剤が数多く開発されていくことを願っております。
参考ページ：
kindredbio.com/mirataz-mirtazapine-transdermal-ointment/
