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命に流行は無い~英国のフレンチ・ブルドックの人気から考える日本の殺処分~

投稿者:武井 昭紘

過去の記事の通り、イギリスではフレンチ・ブルドッグに人気が集中することに伴う登録件数の急増(10年間で約3000%アップ)が起きており、短頭種の保護盗難も後を絶たない現状がある。よって、ケネルクラブへの登録において、2018年末までに、最多を誇るラブラドール・レトリーバーをフレンチ・ブルドッグが上回ることが推計されていた。しかし、前述のタイミング(2018年末)は、残念ながら、大幅に短縮してしまうことになる。

イギリスケネルクラブによると、2018年1~3月に最も多く登録された犬種はフレンチ・ブルドッグ(約8500匹、前年比23%増)であり、初めてゴールデン・レトリーバー(約7500匹、前年比7%)を凌いだとのことである。さらに、この現象を追随するかのように、同クラブのウェブサイトに設置した犬の保護施設検索エンジンに入力される「フレンチ・ブルドッグ」というキーワードが倍増している。

現在、フレンチ・ブルドッグを取り巻く環境の変化は、英国内の社会問題として認識され、広告制限の要請映像作品のマーケティング規制を実施せざるを得ない事態に陥っていることからも、深刻さが窺えると思う。

 

だが、本稿は対岸の火事では終わらない。

 

2018年に開催された平昌オリンピックで金メダルを獲得したフィギュアスケートのザキトワ選手(ロシア)に秋田犬が贈られている。これにより、日本における秋田犬への人気が上昇すると同時に、当該犬種の殺処分件数が増えている。故に、国境を越えて世界が協力し、「命に流行は無い」ことを啓蒙し続ける効果的な方法を早急に考案する必要があるのではないだろうか。

動物愛護法に記された「終生飼養」、欧米における「責任を伴うペットの所有権」という概念を、業種・業態問わず普及していくことが、尊い命を守ることに繋がるのだと思います。

 

参考ページ:

https://www.thekennelclub.org.uk/press-releases/2018/june/french-bulldogs-overtake-labradors-as-uks-most-popular-dog-breed/


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