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猫の上部気道感染症に繋がる環境ストレスを生じる飼育管理に関する研究

投稿者:武井 昭紘

猫は、ペットショップからオーナーへの引き渡し、シェルターへの収容、ペットホテルでの宿泊など、環境変化に伴うストレスを契機に上部気道感染症(upper respiratory infection、URI)を呈することが珍しくない。加えて、URIを罹患した個体は、食欲の低下とともに体力・免疫力の維持が難しくなり、飼育管理や保護猫の譲渡時期に支障が出てしまう。しかし、URIを生じる要因(主にストレスを受ける条件)は、全容解明に至っておらず、今後の課題と言える。

そこで、カリフォルニア大学は、保護猫の飼育環境とURIの関連に着目して、研究を行った。なお、同研究では、収容スペースの異なる2群でのURI有病率が算出されており、①1区画で生活する群に比較して、②2区画(往来が自由なウォークインユニット)で生活する群の方が、URIを発症しづらいことが判明している。

上記より、排泄物で汚れた部屋から清潔な部屋へ「自らの意志」で移動できる②では、環境ストレスが軽減されると考えられる。よって、URIのコントロールが上手くいかない施設および家庭は、今回紹介したウォークインユニットの概念を参考にすると良いのかも知れない。

猫がURIに罹患しにくい飼育環境は、ヒトのストレスも軽減すると思います(URIに対する悩みが無くなるため)。

猫がURIに罹患しにくい飼育環境は、ヒトのストレスも軽減すると思います(URIに対する悩みが無くなるため)。

 

参考ページ:

http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0190140


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