想定された「ある目的」でリリースした医薬品の中には、添付文書に記載のない薬効を期待して、臨床現場で利用されるものがあり、薬効外使用と呼ばれる。また、これは、当該医薬品に新薬開発を超える有効性を与え、時に、以下に示す一例の通り、思いも寄らない効能を追加するキッカケともなり得る。
◆ポリ硫酸ペントサン◆
当初、骨関節炎に伴って損傷した関節軟骨の修復を促す治療薬として製品化された成分である(日本ではカルトロフェン・ベットの商品名にて流通)。後に、膀胱粘膜の修復にも効果を発揮するとされ、一部の動物病院で膀胱炎の治療に適用されるようになったのだが、薬効外使用の扱いが続くという経緯を持つ。
そのような背景の中、ケンタッキー州レキシントンに拠点を置くKINETIC VET社は、犬、猫、馬の膀胱炎を治療するためのポリ硫酸ペントサン(商品名:PENTOSAN POLYSULFATE)をリリースしている。
よって、米国獣医師からPENTOSAN POLYSULFATEが高い評価を得られれば、同製品をモデルケースとして、カルトロフェン・ベットも「関節炎・膀胱炎治療薬」へと変更されるかも知れない。
参考ページ:
http://kineticvet.com/pentosanpolysulfate.html