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ペットの肥満の実態調査から見えてきた獣医師とペットオーナーの意識差

投稿者:武井 昭紘

肥満は、2013年に米国医師会(American Medical Association)が認定した通り、治療を要する「病気」であり、小動物臨床においても同様の見解が広まり始めている。しかし、犬猫の肥満を標準体型へと導く過程には、獣医師とペットオーナーの意思疎通が絶対条件(食べ物を与えるヒトの影響が非常に大きい)として立ちはだかっているため、①ペットの肥満の実態、②獣医師とオーナーとの間にある意識差を常に更新して、肥満の予防(予防医学の一種と言える)および治療を目的に啓蒙活動を進めることが重要である。

そのような背景の中、米国ペット肥満防止協会(Association for Pet Obesity Prevention、APOP)が、以下の通り、両者の意識のズレを示した調査結果を発表している。

◆2017年の健康診断またはウェブアンケートによる肥満実態調査◆
・犬猫の約6割が過体重・肥満に該当する(2016年に比べて1~2%アップ)
・獣医師の半数は体重管理の必要性を充分に説明していない
・オーナーの半数は獣医師から説明を受けた記憶が無い
・オーナーの15%は獣医師の説明不足がペットの肥満の原因と考えている

上記のことから、世界各地の獣医師が協力して、体重管理方法や肥満に続発する疾患のリスクなどを啓蒙していくことが、ペットの健康維持(肥満予防医学)に対して最も有効な手法ではないかと思われる。

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ペットの肥満の実態を調査することで、将来的に、肥満予防医学が確立されていくことを願っております。

 

参考ページ:

https://petobesityprevention.org/2017


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