ニュース

統計学的に解析した犬の食糞行動の実態と導き出された生物学的仮説

投稿者:武井 昭紘

動物病院は、ペットの病気の予防と治療を業務の主軸にしているが、時に、オーナーから「しつけ」の相談を受けることもあり、例えば、コントロールができない食糞行動などが挙げられる。しかし、獣医師のアドバイスのもと、オーナーが試行錯誤を繰り返しても解決の糸口が掴めず、効果的な対応策や愛犬の思惑(食糞をするからには何か理由があると考えるオーナーも居る)について、大きな悩みを抱えてしまうケースも珍しくない。

そのような背景の中、カリフォルニア大学が興味深い研究結果を発表した。なお、同研究では、アンケート方式によるデータの集積が実施され、以下に示す事項が判明している。

◆アンケートから見えた犬の食糞行動◆
①多頭飼育の環境で食糞行動は起きやすくなる
②食欲旺盛(greedy eaters)な犬が食糞しやすい
③シェトランド・シープドックは他犬種と比べて食糞をする個体が多い
④食糞が最も起きやすいタイミングは排便から2日以内

更に、カリフォルニア大学は、④について考察を添えており、糞便中に含まれている「かも知れない」寄生虫卵に関係していると述べている。つまり、犬の食糞には、感染力を獲得する前の寄生虫卵を何処かへ隠す目的が秘められているとのことである。

よって、全犬種に適用できる食糞の防止策という視点に立てば、「物理的に便を食べられないようにヒトが隠す」ことが、最も有効な方法と言えるのではないだろうか。

本研究の見解では、食糞防止を目的としたペット用品に効果は「殆ど」期待できないとのことです。

本研究の見解では、食糞防止を目的としたペット用品に、効果は殆ど期待できないとのことです。

 

参考ページ:

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1002/vms3.92


コメントする