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コンパニオンアニマルにおける「人医療で届出義務が課された細菌」の有病率を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus、MRSA)をはじめとする薬剤耐性菌は人医療で数多く発見されており、①新しい抗生剤の開発と②新薬に耐性を有す細菌の出現が、今もなお繰り返されている。このような事象は、大動物および小動物臨床にも波及するため、コンパニオンアニマルにおける耐性菌各種の感染状況についてアップデートし続けることが、非常に重要であると考えられている。

そこで、ドイツおよびオランダの大学らは、1980年以降に報告が上がった文献を基に、様々な動物種でのカルバペネム耐性腸内細菌科(carbapenem-resistant Enterobacteriaceae、CRE)感染症の有病率を調査した。すると、アジア圏で飼育されているコンパニオンアニマルでは、有病率が最大15%にも達していたとのことで、CREの脅威が獣医療の現場に迫っているという結果が示されてしまった。なお、現在の感染症法では、CRE感染症(5類)に遭遇した人医に対し、届出義務を課している。

上記のことから、今後、アジアに属する本国のペットを対象とした当該感染症の有病率を明らかにして、感染の拡大を阻止するためのガイドライン(抗生剤に依存しない対策が理想的)の作成を検討する必要があるのではないだろうか。

抗生剤療法では、いずれ出現するであろう耐性菌の脅威から逃れることはできないため、病原菌との向き合い方を根本から見直すことが重要だと思います。

抗生剤療法では、いずれ出現するであろう耐性菌の脅威から逃れることはできないため、病原菌との向き合い方を根本から見直すことが重要だと思います。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29654871

 


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