ビタミンD(VD)は、カルシウムの代謝に深く関与していることが知られている一方で、患者の重篤度に応じてVDが減少していくとの報告もあり、①栄養素としての役割のほかに、②病的現象の程度を表すマーカーになり得ると期待されている。しかし、小動物臨床では、②についての検証は進んでおらず、今後の課題と言える。
そこで、ミズーリ大学は、ICUに入院した犬(ICU群)の重症度とVDの関連性に着目して研究を行った。すると、ICU群の血清中VD濃度は、臨床上健康な犬に比較して有意に低く、「入院から30日まで生存している可能性」を予測できる因子となっていることが判明した。
大学によると、ビタミンの検出精度の改善は必要とのことだが、VD濃度測定は、入院中の犬(救急疾患など)のモニタリング方法として非常に有用なものであるかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29590167/