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次世代予防医学~交通事故に遭遇する犬を減らすために発足した調査プログラム~

投稿者:武井 昭紘

ペットライフの中で経験する思いも寄らない事態には、奇跡とも呼べる嬉しいイベントがある反面、家族の一員(動物)がケガをしたり、命を落とすような事故も含まれる。これを裏付けるように、イギリスでは、家庭犬全体の0.4%(1000匹に4匹)が交通事故を経験して、その4分の1にあたる0.1%が斃死するという報告もある。故に、「何が要因となって悲しく辛い出来事は起きるのか?」についてデータを集積・解析することは、非常に重要であり、感染症予防や健康診断(疾患の早期発見)などと双璧をなす程の「次世代の予防医療」として確立していくべき分野だと思われる。

そこで、シドニー大学および王立獣医科大学らは、英国内の動物病院に訪れたことのある約20万匹の犬の記録から交通事故に繋がる因子を探すプログラム、VetCompassを行った。すると、以下に示す項目が判明したとのことである。

◆交通事故を経験した犬のビッグデータ◆
・純血種が母集団の7割を占める
・6割以上が雄である
・若齢犬(3歳以下)が交通事故に遭遇する確率は高齢犬(14歳以上)の3倍

上記のことを基にすれば、特に「純血種の若い雄犬」は、不慮の事故に対して細心の注意を払うことが望ましいのかも知れない。また、今後、更なる調査が進み、飼育環境、散歩コース、自宅周辺の車両の交通量などと交通事故との関連が明らかにされていくことを願っている。

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交通事故に遭う犬の約半数は、ペット保険に加入していないという調査結果も出ていますので、ペット業界全体で保険制度の啓蒙を進めていくことが、尊い命を守ることになるかも知れません。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29509322/


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