小動物臨床の心電図検査は、動物を安静にさせた状態で実施することが一般的となっている。しかし、心電図から読み取れる不整脈は、「安静時」に限ったものばかりではなく、「興奮・運動時」のみ、表面化するものも含まれる。言い換えると、日常生活の動きの中で心電図検査が行えれば、診察(動物病院内)では発見しづらい不整脈を認識することができるとも捉えられるのではないだろうか。
そこで、プリンスエドワードアイランド大学(カナダ)およびノースカロライナ州立大学(アメリカ)は、犬における歩行対応型心電図の有用性を検証した。なお、同大学らによると、検証に参加した4匹中3匹の犬は、2週間、電極を付けたままで過ごせる上に、安静時の波形はホルター心電図と同等とのことである。
以上のことから、歩行対応型が、「活動時」にもホルター心電図と肩を並べる精度となるように改良されれば、動物の不整脈の診断は、目覚ましい進歩を遂げるかも知れない。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29558214/?i=8&from=dog