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血管肉腫に罹患した犬から検出された遺伝子突然変異

投稿者:武井 昭紘

犬の血管肉腫(hemangiosarcoma、HSA)は、血管壁を構成する細胞が癌化した腫瘍性疾患であり、年間で約50000匹が発症すると推計されている。また、HSAは、病変部位の破綻(血管壁が破けること)によって、多量の出血を生じるため、致死的な経過を辿ってしまう場合がある。しかし、前述のようなHSAの原因は特定されておらず、ある個体の発症リスクを事前に予測することは困難てある(HSAに限った話ではないが、本稿ではHSAについて記載する)。

そこで、ペンシルバニア大学は、HSAを罹患した犬を対象に、遺伝子突然変異の有無を調査した。同大学によると、半数以上の症例において、ヒトの脈管肉腫(Angiosarcoma、AS、血管およびリンパ管に発生する肉腫の総称)に認められる変異と類似した配列が検出されたとのことで、HSAの病態を解明するためのキッカケとなるかも知れない。

上記のことから、①本研究に列挙されている突然変異を持ち、且つ、②HSAを発症していない犬を対象とした健康診断やモニタリングを世界的に推進していけるように、当該遺伝子の検査システムが商業化されることを願っている。

大規模な統計学的データに基づいて、愛犬がHSAに罹患するリスクを百分率(パーセント)や段階評価などで表示できる未来が訪れることを期待しております。

大規模な統計学的データに基づいて、愛犬がHSAに罹患するリスクを百分率(パーセント)や段階評価などで表示できる未来が訪れることを期待しております。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29190660/?i=3&from=dog


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