犬の「てんかん」は、発作を主症状とする神経系疾患であると同時に、呼吸困難や心拍数の変動を生じるリスクを伴うため、循環器・呼吸器のモニタリングも大切になる疾病と言える。しかし、「てんかん」の鑑別診断に用いる検査法の中で、前述の2つの生体機能(循環、呼吸)に重点を置いたものは少ない。
そこで、ルーマニアの大学は、特発性てんかんと仮診断された犬28匹(presumed idiopathic epilepsy、pIE群)における心電図検査所見に関する研究を行った。
研究の結果、同大学によると、臨床上健康な犬に比べて、pIE群のRR間隔は50ms以上延長していることが明らかとなったとのことで、pIEの診断を下すため(担当している犬がpIEではないかと疑うキッカケ)の心電図検査が確立できる可能性が示されたと考えられる。
今後、研究が進み、ペットオーナーが症状に気が付いていない「潜在的なpIE」を抱えている犬を発見する心電図の解析方法が開発されることに期待したい。
参考ページ:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29153107/?i=16&from=dog