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微量の犬パルボウイルスを短時間に検出できる新しい遺伝子検査法

投稿者:武井 昭紘

犬のパルボウイルス(CPV-2)感染症は、重度の循環器ないしは消化器症状を発現して、致死的経過を辿っていく場合があるとともに、感染個体の排泄物・嘔吐物による病原体の拡散のリクスも伴う疾患である。そのため、CPV-2感染症を疑う症例に遭遇した際には、迅速かつ確実に、当該ウイルスの有無を明らかにする必要性に迫られるはずで、「感度および特異度が高くて」、「1分1秒でも早い」診断技術が望まれていると推察てきる。

また、パルボウイルスの検出法として、①リアルタイムPCR、②抗原検査が主流であるものの、①は少なくとも1時間は要すること(外部機関に依頼すれば検体回収から結果報告までと更に長くなる)、②は10分弱と短いが①に比較して特異度が劣ることを考慮すると、残された課題点はあると言える。

そこで、中国の河北師範大学は、①の精度、②の短い所要時間、2つのメリットが共存する新しい遺伝子検査として、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(Recombinase polymerase amplification 、RPA)というシステムを採用して、90を超える犬の糞便サンプルの調査を行った。このRPAは、温度変化が少なく、温度変化の激しい①にかかる時間の約3分の1、約12〜20分で、全ての工程が終了する特徴を有する。

調査の結果、同大学によると、CPV-2のRPAは、感度、特異度ともに100%であることに加えて、極微量(10個)のウイルスDNAがあれば再現性を保てるとのことである。

上記のことから、RPAは、短時間、高検出率のウイルス検査手技へと発展していく期待が持てるのではないだろうか。

今後、本研究をキッカケとして、CPV-2感染症の早期発見・早期治療の恩恵を受ける犬が増えていくことを願っています。

今後、本研究をキッカケとして、CPV-2感染症の早期発見・早期治療の恩恵を受ける犬が増えていくことを願っています。

 

参考ページ:

https://bmcvetres.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12917-017-1232-z


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