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犬の口腔内腫瘍に対する電気化学療法の開発がスタート

投稿者:武井 昭紘

電気を用いた化学療法(電気化学療法、Electrochemotherapy、EQT)は、皮膚または皮下腫瘍に適応される手法で、抗ガン剤を腫瘍組織内へと浸透させる効果があると考えられている。また、小動物臨床で遭遇する機会の多い犬の口腔内腫瘍の一部は、外胚葉由来であり、発生学的に皮膚の細胞と近似しているため、EQTを適応できる可能性がある。しかし、口腔内腫瘍の形状は多様性に富んでおり、全ての症例に、標準化(ゴールドスタンダード化)されたEQTを提供するためには検証が必要となる。

そこで、ブラジルの小動物がんセンターおよびサンタカタリーナ連邦大学は、犬の口腔内に認められた悪性黒色腫(メラノーマ)に対するEQTに関して、「臨床応用に最適な形式」を確立する研究を開始した。

今後、同研究が進み、口腔内EQT専用の電極の開発、発生部位や腫瘍の種類に応じたガイドラインの作成へと発展していくことを期待したい。

症例や腫瘍の形状・発生部位に併せて、院内で、自由自在に調整できる電極が製品化されると、EQTの利便性が高くなると思います。

症例や腫瘍の形状・発生部位に併せて、院内で、自由自在に調整できる電極が製品化されると、EQTの利便性が高くなると思います。

 

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/29023529/?i=14&from=dog


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