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担癌犬に認める高カルシウム血症とビタミンDの不均衡を検証した研究

投稿者:武井 昭紘

リンパ腫など、犬の腫瘍性疾患の一部は、高カルシウム血症を伴うことがあるため、ある仮説を立てることが出来る。

カルシウム代謝を制御しているビタミンD(VD)と腫瘍細胞には、何らかの関連性があるのではないか。

だとすれば、VDは、副作用を最少限に抑えられる治療ターゲットとなり得るのではないか。

今後、様々な視点から検証を重ねていくことで、興味深い、新たな医療分野が開拓されるかも知れない。

そこで、カナダの大学らは、担癌犬における血漿中の①25-ヒドロキシビタミンD(25OHD、VDの活性体)および②イオン化カルシウム(ICa)の濃度を解析する研究を行った。同研究には、骨肉腫21例、リンパ腫27例、肥満細胞腫21例、臨床上健康な犬23例(コントロール群)が参加している。すると、コントロール群では②が上昇するにつれて①が「減少」することに対して、前述の担癌症例では②が上昇につれて①も「上昇」することが明らかとなった。

上記のことから、腫瘍を疑う、もしくは、除外したいと考えている症例に遭遇した場合、①と②のモニタリングが、確定診断へ向けた一歩を踏み出すキッカケになると期待できる。

小動物臨床で確認されている全ての腫瘍性疾患において、①および②を解析していけば、ビタミンD療法への道が拓けるのかも知れません。

小動物臨床で確認されている全ての腫瘍性疾患において、①および②を解析していけば、ビタミンD療法への道が拓けるのかも知れません。

参考ページ:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/28941306/?i=1&from=dog


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