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お手頃な価格で実現~犬のシャンプーでヒトが全く濡れないポータブルシステム~

投稿者:武井 昭紘

犬を飼育している家庭では、定期的に愛犬のシャンプーをしてスキンケアをすることが理想的であり、犬種(トリミングの必要性、体格)、飼育環境(オーナーの年齢・体力)、皮膚疾患の有無(シャンプー療法の推奨)などにより、自宅でのシャンプーに限らず、トリミング店または動物病院でシャンプーを実施する場合もある。また、散歩中に降り出した雨で濡れたり、川・海・水貯まりで遊んだ後などは自宅で局所的なシャンプーを行うことが推察される。このように、犬のシャンプーの場所や方法は多様であるが、全てのケースにおいて「ある共通点」があり、ヒトが水(お湯)で濡れてしまうということで、エプロンなどの防水対策をしても完全に回避することは不可能に近い。

そこで、アメリカのミシガン州にあるBISSELL社は、「ヒトが水に濡れないシャンプーシステム」を開発して、BARKBATH™ Portable Dog Bath & Grooming Systemという製品名で約150ドル(約17000円)でリリースしている。このBARKBATH™は、水とシャンプー剤を入れた本体に取り付けられたノズルから液体(水とシャンう―の混合物)が出る仕組みになっており、ノズルを犬の被毛に当てると、皮膚・被毛の洗浄から洗浄後の液体の吸引までを自動的に行うことができ、水分がノズルを往復するだけのため、シャンプーをしているヒトは全く濡れないという特徴がある。さらに、ポータブル設計で生産されており、容易に持ち運びできるので、外出先や旅行先でも気軽に使用ができる利点もある。上記のことだけに留まらず、抜群の節水効果を備えており、水の消費量は80ポンド(約36kg)の犬で40オンス(約1.2リットル)とメーカーのページに表示されている。一般的な水道管に接続されたシャワーは、1分間に7~12リットルの水量であるため、10分間程度シャワーを使用すれば100リットル前後の水を消費する計算となるため、BARKBATH™が消費する水量とは大きな相違がある。

BARKBATH™は、高い利便性からアメリカのペットオーナーおよびペット業界に支持され、普及していくかも知れない。そして、BARKBATH™を導入したトリミング店や動物病院またはメーカーの発表によって、皮膚病治療用のシャンプー剤も使用可能となれば、犬の皮膚科診療としてのシャンプー療法にも効果を発揮することが予測できる(動物病院スタッフが濡れなければシャンプー療法後の掃除時間が大幅に短縮され、節水効果は経費削減へと繋がる)。今後、日本のペット業界でも、正式にBARKBATH™が販売開始となることを期待したい。

ヒトが濡れない、ポータブル、リーズナブル、大きな節水効果を兼ね備えたシャンプーシステムは、往診によるシャンプーサービスの提供にも有用かも知れません。

ヒトが濡れない、ポータブル、リーズナブル、大きな節水効果を兼ね備えたシャンプーシステムは、往診によるシャンプーサービスの提供にも有用かも知れません。

 

参考ページ:

https://www.bissell.com/barkbath-portable-dog-bathgrooming-system-1844a


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