犬糸状虫(Dirofilaria immitis)の感染によって起きるフィラリア症は、ヨーロッパ全土に拡大しているという。そのため、同地域では、感染リスクを上げるファクターの特定が重要な課題となっているのだ。果たして、どのようなファクターが感染リスクを上げるのだろうか。
冒頭のような背景の中、スペインおよびポルトガルの大学らは、国内でフィラリア抗原検査陽性(2023年~2024年)となった犬3600匹以上を対象にして、感染リスクと関連している環境要因を突き止める研究を行った。なお、同研究では、地理的な、気候的な、宿主側の要因に主眼を置いている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆スペインおよびポルトガルにおける犬がフィラリア症となるリスク◆
・島嶼部(バレアレス諸島およびカナリア諸島)で感染リスクが高かった
・ステップ気候の地域で感染リスクが高かった
・人工的に作られた水源があり乾燥している地域で感染リスクが高かった
・室内飼育の犬でも感染リスクの低下は起きなかった
・2024年は有意に感染リスクが高かった
・また同年は北部の地域で「顕著に」感染リスクが高かった
上記のことから、①地理的および②気候的なファクターが存在していることが窺える。また、「室内飼育の犬にも感染リスクがあること」を受け、大学らは、『個々の③家庭内の気温・湿度も感染リスクを左右している』と述べる。加えて、④年によって感染リスクが変動していることをも分かる。よって、今後、①~④を考慮した感染リスクを算出する方法が考案され、リスクが高い地域・個体のフィラリア予防が促進することを期待している。

室内飼育の犬にも、しっかりフィラリア予防を実施しましょう。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42254907/


