小動物臨床における輸血療法には、大きな制限がある。全国規模の血液バンクも無ければ、輸血用血液を長期的に保存することもできないのだ。加えて、ドナーに立候補する動物が圧倒的に少ないといった現実もある。このような状況の中で、犬は犬、猫は猫と同種間輸血にのみ拘っていると、制限は大きいままである。つまり、この制限を縮小するために、異種間輸血の可能性を模索することが重要なのだ。
冒頭のような背景の中、アメリカの大学および動物病院らは、重篤な病気に罹り「犬の」アルブミンを輸血された「猫」5匹の経過を追跡する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆重篤な病気を抱える猫に輸血した犬のアルブミンの効果◆
・1匹は1回輸血療法を受けた
・4匹は2回輸血療法を受けた
・2匹(40%)が生存して退院した
・他の3匹には輸液療法に伴う副作用が発現した
上記のことから、異種間輸血は重篤な病気の猫を救う手段になり得ると考えられる。よって、今後、副作用の発現を最小限に抑える方法について議論され、小動物臨床における輸血療法の制限が小さくなることを期待している。

「腹腔内に出血を起こし輸血療法を必要とした猫に適応された異種間輸血」という記事もご参照下さい。
参考ページ:
https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1585988/full


