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犬の血液および尿に含まれる急性腎障害のマーカーとして期待される2種類の物質の濃度を測定した研究

投稿者:武井 昭紘

人医療において、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン (NGAL) とメタロプロテアーゼインヒビター-2 (TIMP-2) は、腎臓疾患のマーカーとして注目を浴びたことのある物質である。そこで、疑問が浮かぶ。これらのマーカーは、小動物臨床においても利用できるものなのだろうか。例えば、①健康な個体、②急性腎障害の個体、慢性腎臓病の個体、③腎臓以外に重篤な病期を抱える個体の判別や予後の判定に使用できないのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ベルギーのゲント大学は、①~③の何れかに該当する犬60匹以上を対象にして、彼らの血中および尿中NGALと尿中TIMP-2を測定する研究を行った。なお、同研究では、研究開始0日目、24時間後、48時間後、1週間、1ヶ月(①と②のみ)、3ヶ月(②のみ)の時点で測定が実施されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①~③の測定値と経過◆
・②において生存した個体に比べて生存できなかった個体の0日目の尿中NGALは有意に高かった
・②において生存した個体に比べて生存できなかった個体の0日目の尿中NGAL/血中NGAL比は有意に高かった
・③において生存した個体に比べて生存できなかった個体の0日目と24時間後の血中NGALは有意に高かった
・生存した個体に比べて生存できなかった個体の0日目の尿中TIMP-2は有意に高かった

 

上記のことから、血中および尿中NGALと尿中TIMP-2を利用すると、②や③の予後が推測できる可能性があると言える。よって、今後、これらをマーカーとした診断アルゴリズムの作成、治療方針の決定に関するガイドラインが作成され、犬の泌尿器科診療のレベルが向上することを期待している。また、これらのマーカーによって生存する確率が低いと判定された個体の救命率を上げる治療法について議論されることを願っている。

血中および尿中NGALと尿中TIMP-2は、ELISA(キット)で測定されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40008829/


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