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病巣が多発的だと想定される神経症状を呈した猫が発症していた病気と治療法

投稿者:武井 昭紘

短毛種の猫(2歳齢、去勢オス)が、アメリカの動物病院を訪れた。何でも、4日間に渡って四肢に麻痺を呈し、運動失調と食欲不振が認められるという。また、診察の結果、膿性の鼻汁が貯まっているようで、鳴き声がかすれていることも判明した。神経学的検査では病変が複数ヶ所にあることが疑われ、血液検査では貧血、低アルブミン血症、高グロブリン血症が発覚した。一体、彼の身に何が起こったのだろうか。

入院中に発作が起きた。その原因なのか、脳のMRI検査(造影)で脳幹と頚椎の髄膜が増強された。加えて、下顎と咽頭のリンパ節が腫脹していた。脳脊髄液検査が行われたが、好中球が増加していること以外に、トキソプラズマやクリプトコッカス、細菌などの病原体は検出されなかった。そのため、抗生剤の単独療法は奏効しなかった。

しかし、一連の診察の中で、ある病原体の存在は否定できなかった。脳脊髄液と肛門のスワブを用いて猫コロナウイルスの検出を試みる。結果は陽性。抗てんかん薬とともにGS-441524が投与された。臨床症状は大幅に改善された。以降、診断から12ヶ月以上に渡って、再発することなく歩行能力を回復した。

論文を発表したコーネル大学は、本症例を神経症状を伴うFIPと位置付けている。よって、類似する病態を持つ猫に遭遇した場合は、鑑別リストにFIPを追加することをお薦めする。

本症例は、GS-441524を84日間投与されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40430745/


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