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偶発的に発見される、または、臨床症状を伴うフレンチ・ブルドッグの心基底部腫瘍に関する研究

投稿者:武井 昭紘

短頭種の犬では、心基底部に腫瘍が発生することが珍しくないという。また、この腫瘍は、①臨床症状を伴うケースもあれば、②全く関係の無い診察で偶発的に発見されるケースもあるとされている。そこで、疑問が浮かぶ。①と②の臨床検査所見には相違点があるのだろうか。そして、その相違点が重症度や経過に影響しているのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、ドイツの動物病院らは、過去3年6ヶ月(2019年4月〜2022年10月)において心基底部腫瘍と診断されたフレンチブルドッグを対象にして、彼らの診療記録を解析する研究を行った。なお、同研究では、フレンチブルドッグを①と②に分けて比較している。すると、30匹以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。

◆フレンチ・ブルドッグの心基底部腫瘍◆
・①では呼吸困難、失神、腹水という臨床症状が認められた
・①の70%以上では腹水のみならず様々な体腔に漿液性の液体が貯留した
・①では肺動脈やその主幹部を閉塞するように腫瘍が確認された
・②(中央値で138回/分)に比べて①(156回/分)の心拍数は有意に高かった
・②(22.0mm)に比べて①(31.5mm)の右心房径は有意に大きかった
・②(48mmHg)に比べて①(83mmHg)の収縮期における右房と右室の圧較差は有意に大きかった

 

上記のことから、①と②の臨床検査所見に様々な相違点があることが窺える。よって、今後、これらの相違点と重症度や予後との関連性について研究が進み、短頭種(フレンチブルドッグ)の心基底部腫瘍の診断法・治療法のレベルが向上することを期待している。

本研究では、病理組織学的に腫瘍の詳細を解析していないため、そのデータが加わると新たな知見が得られるかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40359626/


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