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外傷を負った猫に見られる腹水と彼らの治療経過との関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

外傷を負った動物の診察にて、注意するべき点の一つが内臓の損傷である。特に、内臓が破裂して腹腔内に出血しているとなれば緊急事態だ。そのため、何らかの検査で腹水を認める症例の対応は迅速であることが必要なのである。そこで、ニューヨークのアニマルメディカルセンターが発表した研究を通して、外傷に伴って腹水を呈した動物の治療経過に関する研究を紹介したい。そして、迅速な対応の必要性を実感して頂きたい。なお、詳細は以下の通りである。

 

◆外傷を負った猫に見られる腹水と彼らの治療経過◆
・過去18年間(2013年~2020年)、総じて2300匹以上の猫の診療記録(外傷に関する外来)を解析した
・148匹に腹水を認めた
・①腹水を認めない猫(6.8g/dL)に比べて②認める猫(6.2g/dL)ではTPが有意に低かった
・①に比べて②の血液pHは有意に低下していた
・①に比べて②の外傷スコア(ATTS)は有意に高かった
・①(症例の4%)に比べて②(16%)では輸血療法を要する可能性が有意に高かった
・①(約48%)に比べて②(症例の約63%)では入院の必要性が有意に高まった
・①(約23%)に比べて②(約43%)の死亡率は有意に高かった
・外科手術の必要性については①と②で差異が無かった

 

上記のことから、②では外傷の程度が重く、入院および輸血療法の必要性も高く、死亡リスクも大きいことが窺える。よって、該当する症例に遭遇した場合は、細心の注意を払ってモニタリングを実行することが望ましいと思われる。

①と②において、入院期間、PCV、グルコース、乳酸値、Ca濃度にも差異は無かったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39840657/


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