臨床上健康な犬猫に施されることが多い去勢手術では、術後に抗生剤を投与することがある(獣医師個人の考えによるところが大きいだろう)。無論、これは、術野の細菌感染を防ぐ意味で投与される。しかし、抗生剤の効果はそれだけに留まらず、腸内細菌叢に影響を与えると言われているのだ。果たして、その影響とはどのようなものなのだろうか。
冒頭のような背景の中、韓国の大学らは、去勢手術に臨む臨床上健康な若齢犬14匹を対象にして、腸内細菌叢に対する抗生剤の影響を調べる研究を行った。なお、同研究では、抗生剤としてセフォベシン(単回投与)が採用されている。また、犬を①プロバイオティクスを併用するグループ(毎日、2週間継続)と②併用しないグループに分けて、彼らの糞便サンプルを用いて腸内細菌叢が比較されている。すると、②に比べて①の腸内細菌叢の多様性は有意に高いこと、そして、②の腸内細菌叢の多様性は抗生剤投与の前後で大きく変動してしまうことが判明したという。
上記のことから、去勢手術を受けた犬に抗生剤を投与すると、腸内細菌叢が大きく変動することが窺える。一方で、この変動はプロバイオティクスで防止できることも分かる。よって、不妊・去勢手術後の犬に抗生剤を投与する場合は、プロバイオティクスの併用を検討することをお薦めする。

①では、プロバイオティクスの影響で、腸の健康を維持する酪酸を産生する細菌が増えていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40347600/


