人医療において、慢性腎臓病と血糖値には関連性があるのではないかと言われている。具体的には、慢性腎臓病に伴う代謝の変化が血糖値の恒常性を妨害すると考えられているのだ。そこで、疑問が浮かぶ。この考えは、動物にも当て嵌まるのだろうか。
冒頭のような背景の中、トルコのアンカラ大学は、①臨床上健康な猫と②糖尿病ではないが慢性腎臓病と診断された猫を対象にして、彼らの血液健所見とインスリン抵抗性を比較する研究を行った。なお、同研究には、ステージ3〜4の慢性腎臓病の症例が参加している。また、インスリン抵抗性は、HOMA-IRというスコアリングシステムで評価されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆慢性腎臓病の猫のインスリン抵抗性◆
・①(19.08 ± 5.01pg/mL)に比べて②(6.05±2.45pg/mL)では血清中のインスリン濃度が有意に低かった
・①(93.02 ± 7.39mg/dL)に比べて②(149.89 ± 61.49mg/dL)では血糖値が有意に高かった
・①に比べて②ではインスリン抵抗性が有意に高まっていた
・②のインスリン抵抗性が高い理由はβ細胞の機能不全、インスリンの分泌低下だと示唆された
上記のことから、②では血糖値に関連する代謝機能が低下していることが窺える。つまり、糖尿病の発症リスクが高いと推察される。よって、今後、②が糖尿病を発症するリスクの算出と、それを予防する方法の考案をする研究が進み、猫の慢性腎臓病の管理が高精度化されることを期待している。

大学は、病理組織学的な視点と炎症の有無をチェックすることを本研究に追加するべきと述べいます。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40285536/


