小動物臨床では、様々な検査が実施され、それを基に診断と治療がなされている。その際、検査をどこで行うか、具体的には院内か、あるいは、外部検査機関かを動物病院ごとに選択している。そこで、疑問が浮かぶ。同じ検査を院内や外部検査機関で実施する場合、その結果が異なってしまい、診断・治療に影響することはあるのだろうか。
冒頭のような背景の中、ベルギーのゲント大学は、尿比重が1.035未満でCRE1.47~2.26mg/dLの猫30匹(臨床上健康な個体と慢性腎臓病の個体を含む)を対象にして、院内検査および外部検査機関3軒で①血清中CRE濃度と②血清中SDMA濃度を測定する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆院内検査と外部検査機関の結果が猫の慢性腎臓病のステージングに及ぼす影響◆
・院内検査における①の値は全体的に低かった
・一方で外部検査機関のうち1軒では全体的に髙かった
・①を用いた慢性腎臓病のステージングは全ての外部検査機関で2となった
・一方で院内検査では27%の症例(慢性腎臓病の猫に限る)が1となった
・4ヶ所の検査のうち1つにおいて73%の症例(慢性腎臓病の猫に限る)で②を用いたステージングが異なっていた
上記のことから、「どこで検査をするか」という選択によって、猫の慢性腎臓病のステージングが変わってしまうことが窺える。つまり、診断にも治療にも影響が出る可能性があるのだ。よって、1ヶ所の検査で想定外の結果が得られた場合は、他の検査機関で再検査をすることをお薦めする。

院内検査の①の参照値は、10歳以上の臨床上健康な猫63匹のデータから算出しております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40298305/


