1歳6ヶ月齢のブリティッシュ・ショートヘア(去勢オス)が、食欲不振、嘔吐、尿失禁を呈したとのことでカナダの動物病院を訪れた。状態は酷く、来院時にはショックを起こしていた。また、腹部の触診に対して疼痛を訴えていた。その精査のために腹部X線検査が行われると、腹水を伴って胃内に腫瘤があることが判明した。一体、彼の身に何が起こっているのだろうか。
腫瘤の正体を突き止めるために、試験開腹が実施された。腫瘤は、幽門から十二指腸にかけて発生しているようであった。その結果で、十二指腸乳頭付近で穿孔が起きていた。腫瘤を切除し、胃と十二指腸、胆嚢と空腸が吻合された。病理組織学的検査によって、消化管好酸球性硬化性線維増殖症と診断された。リンパ腫と鑑別が必要な消化器疾患であった。
彼は、術後4日で退院した。そして、2週間に渡るプレドニゾロンの投与が開始し、低アレルギー食が推奨された。しかし、残念ながら、投薬指示をオーナーは遵守しなかった。内科治療は困難を極めて、術後7ヶ月でフェードアウトとなった。
論文を発表したカナダの動物病院は、消化管穿孔および消化管腫瘤の鑑別リストに消化管好酸球性硬化性線維増殖症を追加する必要があると訴える。万が一、本症例と類似した病態を持つ猫に遭遇した場合は、当該疾患の可能性を検討して頂けると幸いである。

本症例には、敗血症性腹膜炎も起きていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40298410/


