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外耳道や鼓室包に対する外科手術を受けた犬猫における眼科トラブルの発生状況

投稿者:武井 昭紘

外科手術をする上での基本的な注意点の一つに、術野周囲の組織への影響が挙げられる。病的な部位を手術で切除・摘出することは勿論だが、その周囲の組織の機能を可能な限り温存することが重要なのだ。故に、知らなければならない。何が温存できて、周囲の組織にどのような損傷が起きるかを。

 

冒頭のような背景の中、オハイオ州の大学および動物病院らは、何らかの理由で外耳道や鼓室包に対する外科手術を受けた犬猫を対象にして、術前後の眼科検査を実施する研究を行った。なお、同研究では、犬猫を①外耳道切除術および鼓室包の骨切り術(外側)を組み合わせた術式を受けたグループと、②鼓室包の骨切り術(腹側)を受けたグループの2つに分けている。また、眼科検査と合併症のチェックは、術前(T0)、術後1日目(T1)、2〜3週目(T14)、2ヶ月目(T60)で実施されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆①や②を受けた犬猫における眼科トラブルの発生状況◆
・犬は28匹、猫は22匹が対象になった
・耳の数にして①が43件、②が20件であった
・手術を適応した理由の52%が中耳炎であった
・次いで30%がポリープ、18%が腫瘤であった
・顔面神経麻痺はT0で症例の5.7%、T1で 47.2%、T14で31.3%、T60で29.0%に認められた
・ホルネル症候群はT0で症例の11.3%、T1で45.3%、T14で37.5%、T60で36.0%に認められた
・乾性角結膜炎はT0とT1で症例の5.7%に認められた
・角膜潰瘍はT0で症例の3.8%、T1 で17%に認められた
・T0の時点で顔面神経麻痺とホルネル症候群を呈していた1例でT14に結膜フラップ術の適応が必要になった
・全体として約64%の症例で眼科トラブルが起きた

 

上記のことから、①や②を受ける犬猫は術前にも、術後にも眼科トラブルが起きる可能性があると言える。よって、手術を検討している症例では必ず眼科検査を実施し、術後管理にも眼科検査を組み込み、万が一眼科トラブルが起きた時のことをオーナーに説明することが大切だと思われる。

結膜フラップ術を適応した症例にはデスメ膜瘤が起きていたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39793190/


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