アメリカの大学の研究によると、抗てんかん薬であるガパペンチンにはMACを削減する効果があり、イソフルランの必要量を減らすことができるという。これは、多くの不妊・去勢手術を実施する動物病院にとって、麻酔の安全性も経費の削減も叶う理想的な効果だと言える。では実際のところ、研究レベルで見られる「MAC削減効果」は、臨床現場にどのような利点を齎すのだろうか。例えば、吸入麻酔薬を使わない、注射麻酔を用いた手術においても何らかの効果を発揮するのだろうか。
冒頭のような背景の中、イランの大学および動物病院らはガバペンチンの使用に着目し、不妊・去勢手術を受けた猫570匹以上の麻酔管理に纏わるデータを解析する研究を行った。なお、同研究では猫を①ガバペンチン投与群(100mg/head)と②非投与群の2つに分けており、①には手術の2時間前に経口てガバペンチンが投与されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫の不妊・去勢手術における麻酔管理に対するガバペンチンの効果◆
・②に比べて①の術前の呼吸数とケタミンおよびジアゼパムの用量が減少した
・①に比べて②の脈拍数と収縮期血圧は高かった
・②ではSpO2が低かった(特に不妊手術では90を下回った)
・周術期に緊急で鎮痛薬を使用する可能性は両群で差は無かった
上記のことから、ガパペンチンは注射麻酔薬の用量も削減する効果を有していると考えられる。また、SpO2の低下を軽減する効果も持ち合わせているようである。よって、今後、ガバペンチンを組み込んだ麻酔プロトコルが体系化され、世界に普及していくことを期待している。

麻酔プロトコルは、メデトミジン(20μg/kg IM)、ケタミン(5mg/kg IM、間欠的に2.5mg/kg IV)、ジアゼパム(0.125mg/kg IV)、リドカイン(4mg/kg 腹腔内または精巣内)で構成されております。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40187297/


