一般的に、犬の尿石症の原因であるストルバイト結晶の形成には、ウレアーゼ産生菌が関与しているとされている。一方、猫の尿石症では、細菌の関与は低いと言われているのだ。このような中で、現在、猫のシュウ酸Caによる尿石症が世界的に増加しているという。一体、同現象の要因とは何であろうか。
そこで、タイのカセサート大学は、大学付属動物病院にて尿石症の治療を受けた猫の診療記録を、主に細菌感染に着目して解析する研究を行った。すると、260匹以上のデータが集積され、以下に示す事項が明らかになったという。
◆猫の尿石症と細菌の存在との関連性◆
・母集団(①)の約64%からシュウ酸Caが検出された
・①の約30%からストルバイトが検出された
・①の約67%で尿培養が実施された(②)
・②の約41%の培養結果が陽性となった(③)
・最も一般的な細菌はブドウ球菌であった(③の約29%)
・次いで大腸菌(約22%)、腸球菌(約12%)が続いた
・ウレアーゼ産生菌の存在はストルバイトの発生リスクを約12倍に上昇させた
・その他の細菌の存在は発生リスクを約4倍に上昇させた
・年齢と性別は尿石症の発症に有意な影響を及ぼさなかった
上記のことから、犬と同様に、猫の尿石症(ストルバイト尿石症)にも細菌感染が関与していることが窺える。よって、今後、猫の尿石症と細菌の関連性を再考する研究が多く行われ、猫の泌尿器科診療がアップデートされることを期待している。

症例は2016年~2021年のものです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40183495/


