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治療前後において慢性腸症を抱える犬の血液中および糞便中カルプロテクチン濃度を測定した研究

投稿者:武井 昭紘

慢性腸症は、原因や治療反応性に応じて鑑別する必要がある消化器疾患である。そのため、その鑑別を容易にするバイオマーカーの開発は常に求められているのだ。一方、話は変わるが、カルプロテクチンは犬の消化器疾患の有無によって変動することが知られている物質で、バイオマーカーとして商業化されつつあるものである。

 

そこで、欧米の大学らは、①臨床上健康な猫、②慢性腸症の猫、③消化管型リンパ腫の猫を対象にして、彼らの血液と糞便に含まれるカルプロテクチンの濃度を測定する研究を行った。なお、②は食事療法やプレドニゾロン、③はプレドニゾロンやクロラムブシルで治療されている。すると、79匹のデータが集積され、以下に示す事項がが明らかになったという。

◆①②③の血液や糞便に含まれるカルプロテクチンの濃度◆
・①に比べて②では有意に糞便中の濃度が高かった
・②と③では濃度に有意差が無かった
・②では治療後に糞便中の濃度が有意に減少した

 

上記のことから、糞便中のカルプロテクチン濃度は、②の診察において有用な診断・治療効果判定マーカーになり得ることが窺える。よって、今後、②と③を判別できるマーカーの開発が進むことを期待している。また、②の糞便中のカルプロテクチン濃度が減少する治療法が体系化され、猫の消化器科診療のレベルが向上することを願っている。

①は36匹、②は25匹、③は18匹で構成されております。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40110650/


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