尿路結石に対する外科手術を実施する時、結石の完全な除去は理想であり、実現するべき必須課題である。しかし、結石が複数存在している場合において、この課題は難しいものになる。そのため、完全に除去する方法が求められているのだ。
冒頭のような背景の中、王立獣医科大学(Royal Veterinary College、RVC)は、過去約6年と6ヶ月間(2018年1月~2024年7月)に尿石症を理由に膀胱切開術を受けたオス犬50匹以上を対象して、①術中の膀胱鏡検査および②術後の尿路造影検査と、結石の除去との関連性を調べる研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆①②と結石の除去状況◆
・①②に関わらず全ての犬で結石が完全に除去されたと判断が下った
・しかし②を受けた犬のうち1匹は術後50日目にして尿路閉塞に陥った
・その原因は取り残された結石であった
・①を受けた犬のうち1匹で尿道結石が残っていることが判明した
・①を実施することで尿道を切開する術式を避けることができた
・①を受けた犬では追跡期間中(中央値374日、67~1664日)に尿路閉塞は起きなかった
上記のことから、①は結石の完全な除去を実現する有用なツールだと言える。また、取り残された結石を「術中に」把握することもでき、麻酔や外科手術に要する時間を短縮あるいは効率化できる手段だと考えられる。よって、今後、①に関するガイドラインが作成され、加えてトレーニング方法が確立し、犬の尿路結石に対する外科手術の治療成績が向上することを期待している。

所要時間は①で中央値5.5分(3~19分)、②で中央値25分(10~55分)だったとのことです。
参加ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40073502/


