ニュース

猫の難産と生後12週目までの子猫の死亡率を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

ある特定の犬種において、難産は宿命と言って過言ではない。その品種を繁殖させる上で、出産に関連したトラブルが避けられないのだ。この問題は近年、動物福祉上において重大な事案とされている。そこで、疑問が浮かぶ。犬と肩を並べる程に人気が高い猫では、難産が問題となっているのだろうか。そのリスクが高い猫種が存在しているのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、欧米の大学らは、29ヶ国で登録されているブリーダーにオンラインアンケートを依頼し、猫の難産の実態と生後12週目までの子猫の死亡率を調べる研究を行った。なお、同研究では、2019年内のデータが集積されている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆猫の難産と生後12週目までの子猫の死亡率◆
・448名のブリーダーから回答があった
・853件の出産のデータが取得された
・3560匹の子猫が生まれた
・難産の発生率は約15%であった
・品種によって発生率は0〜22%と幅があった
・出産件数の約11%で帝王切開が必要であった
・帝王切開の件数が最も多い品種はコーニッシュレックスであった
・しかし統計学的には帝王切開のリスクに有意差は無かった
・母猫が5歳以上の場合は難産のリスクが低かった
・胎仔が6匹以上の場合も難産のリスクが低かった
・妊娠期間が長くなると難産のリスクが高まった
・生後12週目までの子猫の死亡率には有意な品種差があった
・ベンガルで死亡率が最も高かった(約23%)
・ラグドールとノルウェージャンフォレストキャットでは死亡率が低かった

 

上記のことから、母猫の年齢、胎仔数、妊娠期間によって難産のリスクが上がり、品種によって子猫の死亡率が上がることが窺える。よって、今後、難産のリスクと子猫の死亡率が高い猫を対象にして、周産期のトラブルを避ける方法を考案する研究が進み、猫の福祉が向上することを期待している。

条件に合致する猫の出産には立ち会う方が良いかも知れません。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39656270/


コメントする