現代医学において、肥満は一般的な病気だ。無論、この概念は獣医療でも同様である。ある研究によると、一般家庭で飼育されている犬猫の実に60%が肥満だという。しかし、この数値は変動することがある。例えば、猫の肥満に関する研究では、肥満の有病率に約12~63%という幅があるのだ。そこで、疑問が浮かぶ。何の影響を受けて、有病率の差は生じているのだろうか。それを明らかにすれば、猫の肥満を予防、あるいは、治療する非常に有効な方法が手段が見付かるかも知れない。
冒頭のような背景の中、トルコはイスタンブールの大学は、エネルギー代謝に関与するとされるメラノコルチン4受容体遺伝子 (MC4R)に着目して、同遺伝子と猫の肥満の関連性を調べる研究を行った。なお、同研究では、肥満の猫30匹と肥満ではない猫20匹から採取した血液サンプルを用いて、MC4R(エクソン1)の変異を解析している。すると、6つの一塩基置換が発見され、その一部は猫の肥満度を表すfBMIと有意に関連していることが判明したという。
上記のことから、MC4Rの変異(多型)は猫が肥満になる要因だと考えられる。よって、今後、この変異を有する猫の食餌管理、または、変異を持つ猫を減らす繁殖計画について議論され、立派な「病気」である肥満になる猫が居なくなることを期待している。

本研究で発見された一塩基置換6つのうち、4つは初めて報告されるものだとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40035963/


