1種類の抗てんかん薬で犬の発作がコントロールできない場合、複数の薬剤を併用することがある。この時、気になることは薬剤どうしの相性である。併用することでお互いに干渉し合い、薬剤の効果が増減してしまったら、罹患犬にもオーナーにも不利益が生じることも考えられるのだ。では実際のところ、薬剤の併用でどのような事が起こるのだろうか。
冒頭のような背景の中、イギリスの動物病院らは、特発性てんかん又は構造的てんかんと診断されてフェノバルビタールを投与され、且つ、その治療にゾニサミドが追加された犬10匹の経過を調べる研究を行った。なお、研究の対象となった症例には以下の通り、両薬剤が投与されている。
◆フェノバルビタール◆
・9例:4.2mg/kg/q12h
・1例:6mg/kg/q8h
◆ゾニサミド◆
・8.0mg/kg/q12h
すると、フェノバルビタールの増量を伴わずに、10例中9例において血清中のフェノバルビタール濃度が上昇し、5例において肝毒性が心配される濃度(>35 mg/L)まで達したという。結果、フェノバルビタールの用量を減らす必要性に迫られたとのことである。
上記のことから、フェノバルビタールにゾニサミドを併用すると、単独使用の時よりも血清中のフェノバルビタール濃度が上がり、副作用のリスクが増すことが窺える。よって、犬のてんかん発作の治療で両薬剤を併用をする場合は、血液検査(肝パネル、フェノバルビタール濃度)でモニタリングし、薬用量を都度調整することが望ましいと思われる。

本研究に参加した8例は特発性てんかん、2例は構造的てんかんと診断されていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38868500/


