鹿児島県曽於市と鹿児島大学が連携し、南九州畜産獣医学拠点(通称・SKLV)を設立した。
記事によると、畜産の大産地・鹿児島県曽於市と鹿児島大学が連携して設立した南九州畜産獣医学拠点(通称・SKLV)だ。全国の獣医学生向けに、最新施設で牛や鶏といった家畜に実際に触れる臨床実習を実施。農家や現役獣医師がスキルアップできるセミナーも行うという。
2024年4月に運営を始め、25年3月末までの1年間で来場者は2万3000人超。地域のにぎわいづくりにも貢献している。 牛など経済動物を扱う産業動物獣医師は、家畜の診療や飼養衛生管理の指導を担う。安全な畜産物の安定供給に不可欠な存在で、養成や確保が課題だ。
施設では、温湿度のセンサーを備え適切な環境で管理する次世代閉鎖型牛舎で、JA鹿児島県経済連が黒毛和牛350頭規模を繁殖・肥育一貫で飼育。鶏は、鳥インフルエンザの流行期に当たる冬場を避けて同大が約5000羽を平飼いする。20頭規模の厩舎(きゅうしゃ)で馬も飼い、福祉事業者がホースセラピーを行う。
全国の獣医学生を対象とした臨床実習は、夏休み(8、9月)と冬休み(2、3月)の期間を中心に、同大が4泊5日で実施。午前中に講義を受け、午後には家畜に触れながらその内容を実習することで、知識や技術の定着を図る。
家畜防疫や衛生、牛、鶏、豚、馬を総合的に学べるコースや畜種・分野を専門的に学べるコースを設ける。 実習費は無料。24年度は全国の獣医学系大学17校のうち15校の学生が利用した。
農家や獣医師ら一般向けに畜産の技術向上につながるセミナーも開く。24年度は計14回実施、554人が参加した。 SKLVは「学生へのPRにさらに力を入れて交流人口を増やしたい」としている。
産業動物獣医師を育てながら、地域の関係人口づくりも目指す。
https://www.agrinews.co.jp/news/index/305580
<2025/05/12 日本農業新聞>
鹿児島大学 南九州畜産獣医学拠点を設立 全国の獣医学生が集う場に(写真と記事は関係ありません)