ニュース

PKD1の遺伝子変異と腎臓の嚢胞に関する超音波所見の関連性を調べた研究

投稿者:武井 昭紘

慢性腎臓病の原因ともなる猫の多発性嚢胞腎は、PKD1という遺伝子の変異によって引き起こされると言われている。しかし、当該疾患を発症した猫の中には、この変異を持たない個体が存在している。そのため、PKD1の変異が原因の全てではないと考えられるのだ。そこで、疑問が浮かぶ。「この変異を持つこと」は、どれくらいのリスクを抱えることになるのだろうか。また、「持つこと」あるいは「持たないこと」で何が起きて、何が起きないのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、タイのカセサート大学は、平均年齢が37.0±3.50ヶ月の猫100匹以上を対象にして、彼らの血液検査、超音波検査、遺伝子検査の所見を解析する研究を行った。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆PKD1の遺伝子変異と腎臓の嚢胞に関する超音波所見の関連性◆
・約19%の猫でPKD1の変異が起きていた
・ペルシャで有病率が高かった
・PKD1の変異と嚢胞の形成には関連性があった
・変異があることで嚢胞が形成されるリスクは2623倍に跳ね上がった
・生後4~36ヶ月齢の間における超音波検査で腎嚢胞が確認されないことはPKD1が変異していないことを裏付けていた

 

上記のことから、PKD1の変異は猫の多発性嚢胞腎に深く関与していることが窺える。また、生後36ヶ月(3歳)までに嚢胞が形成されなければ、当該疾患の罹患リスクは大きく減少すると考えられる。よって、診察を担当する猫が遺伝子検査を受けない場合は、3歳までに健康診断(腎臓の超音波検査)を実施して嚢胞の有無をチェックすることが望ましいと思われる。

ペルシャのみならず、ペルシャの血を引く猫でもPKD1の変異が多かったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39108347/


コメントする