全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome positive、SIRS)は、臨床検査所見において一定の条件を満たす全身性に炎症が起きる現象で、集中的な治療が必要となる病気である。一方、話は変わるが、眼の構造の一部であるブドウ膜は「眼の中のリンパ節」とも称されることがあり、炎症や感染によって異常所見が確認できる場所として知られている。つまり、SIRSを発症した動物の眼にブドウ膜炎が起きていても不思議ではないのだ。
冒頭のような背景の中、スペイン・香港の大学および動物病院らは、過去9ヶ月間(2020年5月~2021年1月)において入院加療となった犬猫60匹以上を対象にして、ブドウ膜炎の有病率を算出する研究を行った。なお、同研究では、犬猫を①SIRSと診断された症例と②SIRSは起きていない症例の2つのグループに分けている。また、ブドウ膜炎の有無は前眼房フレア、眼圧、強膜上の充血、縮瞳などチェックによって判定されている。すると、ブドウ膜炎の有病率は①で38%、②で約8%であることが判明したという(有意差あり)。
上記のことから、SIRSを抱える犬猫ではブドウ膜炎が起こりやすいことが窺える。よって、当該疾患の診察では眼科検査を実施し、必要な治療を検討することをお薦めする。

①は42例、②は26例で構成されていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38701003/


