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フェノバルビタールで治療されている特発性てんかんの犬の心電図検査と血圧測定

投稿者:武井 昭紘

「てんかん」を有する患者の中には、突然死を起こしてしまうヒトが居るという。また、その原因は、発作に続発する心臓への負荷、具体的には重い不整脈だと言われている。一方で、特発性てんかんを抱える犬では、発作、不整脈、突然死を関連付ける確固たる研究は報告されていないのが現状である。

冒頭のような背景の中、ブラジルの大学は、①臨床上健康な犬と②フェノバルビタールを投与されている特発性てんかんの犬を対象にして、彼らの心電図と血圧を調べる研究を行った。すると、QRS波とST間隔に関連した数値が両群で異なることが判明したという(①に比べて②で有意に延長している)。対して、血圧では有意差を見出せなかったとのことである。

果たして、この心電図の相違点に何らかの臨床的な意義が存在しているのだろうか。また、無治療の、あるいは、フェノバルビタール以外が投与されている罹患犬ではどうであろうか。今後、更なる研究が行われ、特発性てんかんで苦しむ犬とオーナーのQOLが改善する新たな治療法が誕生することを期待している。

臨床上健康な犬は11匹、フェノバルビタールを投与されている特発性てんかんの犬は10匹で構成されていたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38595650/


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