フコイダンとフコキサンチンとL-カルニチンという天然成分3種類で構成される化合物、Oligo-fucoidan, fucoxanthin, and L-carnitine (OFL)は抗炎症・抗酸化作用を有するとともに、線維化を抑制する作用を持ち、腎保護効果を発揮すると言われている。つまり、OFLは犬猫に発生する慢性腎臓病の進行を喰い止める治療に利用できると考えられるのだ。では実際のところ、仮説の通りになるだろうか。
冒頭のような背景の中、韓国の大学らは慢性腎臓病と診断された犬50匹を対象にして、OFLの効果を検証する研究を行った。なお、同研究では犬を①OFL給与群と②対症群の2つのグループに分け、両群の血液検査結果を6ヶ月に渡って比較している。すると、以下に示す事項が明らかになったという。
◆慢性腎臓病の犬に対するOFLの効果◆
・②比べて①のBUN、CREは有意に低かった
・IRIS分類にてステージ2~4と判定された症例に限っても②に比べて①のCREは有意に低下した
・両群の電解質に有意差は認められなかった
上記のことから、OFLには腎保護効果があると言える。よって今後、線維化の視点からもOFLの効果が検証され、当該成分が既存の腎臓病治療の補助として利用されるようになることを期待している。

①は28匹、②は22匹で構成されていたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38891743/