パピーブルー。
それは、育犬ノイローゼとも呼ばれている、子犬のオーナーが経験する心理的な現象である。子犬を育てるにあたって、一部のオーナーは多大なストレス、心配、不安、緊張、欲求不満、後悔を抱えるというのだ。しかし、このパピーブルーを科学的に証明し、評価した報告は無い。
そこで、フィンランドの大学らは、パピーブルーを評価するスケールの開発を試みる研究を行った。なお、同研究では、初めに子犬を育てる過程において苦痛を感じたオーナー1800名以上にアンケートを依頼し、スケールに採用する項目を模索した。次いで、その項目に基づいて作成したスケールを用いて、1~2歳の犬を飼育するオーナー300名以上の過去(愛犬が子犬だった時)と現在の心理状態を数値化した。そして、パピーブルーは、
オーナーのフラストレーション、不安、疲労感の程度で評価できることを突き止めたとのことである。
この3つの心理的状態に主眼を置いたスケールで、パピーブルーを経験したと思われるオーナーを評価すると、過去(子犬を育てていた時期)に比べて現在(愛犬が子犬ではなくなった今)のスコアは大幅に低下することが判明したという。よって、今後、動物病院や里親を募集する保護施設で同スケールが活用され、パピーブルーに陥ったオーナーをサポートする体制が整うことを期待している。

本研究では、子犬を育てていた時の経験が悪いものだったとしても、時間を経るにつれてその経験がより肯定的に捉えられている傾向が読み取れたとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38849543/