毎年13万匹。これは、イギリス国内で保護されている犬の数である。その数は即ち、保護施設に伸し掛かる負担に相当し、また必要とされる里親の人数も示唆している。この膨大な数が繰り返されれば、保護犬を取り巻く環境は何れ崩壊するであろう。ならば、知らなければならない。何が保護犬の頭数を増やす要因になっているのかを。つまり、一度飼い始めた犬を手離すことになる事態というものを。それは、不測の事態なのであろうか。それとも、想定が甘いことで起きる非劇なのだろうか。
冒頭のような背景の中、イギリスの動物慈善団体Dogs Trustは、国内で犬を飼育しているオーナーに「予想外の出来事」を訊ねる調査を行った。すると、35万件以上の回答を得て、以下に示す事項が明らかになったという。
◆イギリスで犬を飼育することにおいて予想外だった出来事◆
・52%の回答者が医療費が予想外だったと述べている
・33%が犬の購入費用や飼育費用が予想外だったと述べている
・25%が忍耐力が予想以上に必要であったと回答した
上記のことから、犬の購入、飼育、予防・治療に掛かる費用が想定を上回る場合があり、彼らの世話や躾には精神的な強さが求められることが窺える。よって、これから犬を飼おうと考えているオーナー候補の皆様におかれては、今現在想定している費用を一回り、二回り大きく見直して頂き、犬と向き合う時の忍耐力を彼らを飼育する中で成長させていって頂けると幸いである。

回答者の50%は家具の損傷が、33%は庭の損傷が想定よりも小さかったと述べています。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38384957/