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金属製の異物を飲み込んだ犬に対する磁石付き内視鏡の効果に関する研究

投稿者:武井 昭紘

改めて言うこともない話かも知れないが、消化管内の異物では「摘出すること」が優先するべき治療とされている。では如何にして摘出するか。無論、外科手術や内視鏡が筆頭になるだろうが、より侵襲度が低く、且つ、効率的な手段を模索することが重要である。

冒頭のような背景の中、アメリカの大学および動物病院らは、鋭利な金属製の異物を飲み込んだ犬4匹を対象にして、先端に磁石を取り付けた内視鏡を用いて異物を摘出する研究を行った。なお、同研究では、異物の有無をX線検査で確認している。また、4匹中3匹では磁石を取り付けていない内視鏡での摘出が試みられているが失敗に終わっており、残りの1例には複数の異物が確認できたため、磁石付き内視鏡による摘出に踏み切ったとのことである。結果、磁石の効果は的面。無事に異物は摘出されたという。

上記のことから、磁石付き内視鏡で金属製の異物を摘出する治療法は有用だと言える。よって、X線検査で金属製の異物を飲み込んだことが発覚した犬の診察では、外科手術に加えて磁石付き内視鏡を検討してみると良いかも知れない。

内視鏡に取り付ける異物摘出用のネットに磁石を入れたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38761024/


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