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特発性てんかんを抱える犬の血液に含まれる補体成分を調べて研究

投稿者:武井 昭紘

「てんかん」を抱えるヒトや「てんかん」のモデルとして作出された動物の血清には高濃度の補体成分が含まれているという。そこで、疑問が浮かぶ。特発性てんかん(idiopathic epilepsy、IE)を抱える犬の血清にも補体成分が高濃度で存在してきるのだろうか。

 

冒頭のような背景の中、韓国の獣医科大学らはIEの犬を対象にして、彼らの血液を調べる研究を行った。なお、同研究では、犬を①未治療群と②治療群の2つに分けており、補体成分としてC3およびC4をターゲットにしている。すると、以下に示す事項が明らかになったという。

◆IEの犬の血清に含まれる補体成分◆
・臨床上健康な犬に比べて①②のC3、C4濃度は有意に高かった
・①と②では濃度に差異が認められなかった
・月の発作頻度が3回以下のグループに比べて>3回のグループのC3、C4濃度は有意に高かった

 

上記のことから、C3、C4濃度は治療前後で変動しないものの、発作の頻度の重症度を反映していることが窺える。よって、今後、IEの重症度を判定するマーカーとしてのC3およびC4濃度の有用性を検証する研究が進み、犬の神経科診療が進化を遂げることを期待している。

①は30例、②は19例で構成されていたとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38329151/


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