ダックスフンドは他犬種と比べて、とりわけ椎間板ヘルニアを発症しやすい犬種として知られている。しかし、全ての個体が当該疾患を発症する訳ではなく、椎間板ヘルニアと無縁のダックスフンドが存在しているのが現状である。つまり、「ダックスフンドであること」以外にも、発症リスクを上げるファクターが隠れている可能性があるのだ。
冒頭のような背景の中、イギリスの大学および動物病院らは不妊手術と椎間板ヘルニアの関連性に着目して、ダックスフンドの診療記録を解析する研究を行った。すると、150匹以上のデータが集積され、不妊手術歴の有無および不妊手術のタイミングと、椎間板ヘルニアの発症リスクに関連性が無いことが判明したという。また、当該疾患の重症度においても、手術の影響は見出せなかったとのことである。
上記のことから、不妊手術によって、ダックスフンドの椎間板ヘルニアの発症リスクを軽減することは出来ないと言える。よって、今後、また別の視点から当該疾患が分析され、発症を予防する方法が考案されることを期待している。

研究に参加したダックスフンドの約23%が1歳齢までの早期に、約45%が1歳齢以降に不妊手術を受けており、約32%が手術を受けていなかったとのことです。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38622029/