1週間に渡り元気が無く、物陰でジッとしていた猫(14歳、不妊メス)が、アメリカはアイダホ州の動物病院を訪れた。運ばれた先は救急救命科。腹部の超音波検査にて、脾腫が見付かった。そこには複数の結節があり、出血を疑う腹水が伴っていたという。果たして、彼女に身に何が起こったのだろうか。
外科的に脾臓が摘出された。病理組織学検査にて、血管肉腫と診断された。ドキソルビシンによる治療が始まった。しかし、病状は進行する。シクロホスファミドとビンクリスチンの併用が決まった。初診から4ヶ月後、顎下リンパ節に血管肉腫が転移していることが判明。200日を超えて生存するも、そこで安楽死となった。
症例を発表した同院は述べる。猫の血管肉腫は稀だと。その症状や化学療法の成績に関しても情報が不足していると。それでも、本症例は7ヶ月近くも生きた。今後、当該疾患の臨床データが集積され、更に長い生存期間が達成される治療法が確立することを期待している。

今までと比べて行動や食欲の有無に異変を感じた場合は、愛猫を動物病院に連れて行くことをお薦めします。
参考ページ:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38467106/