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体重・体型や去勢・不妊手術歴を中心に犬の変形性関節症の診断リスクを調べた研究

投稿者:武井 昭紘

術後に体重が増えるケースがあることが影響しているのか、不妊・去勢手術を受けた犬では変形性関節症を発症するリスクが高くなるという。そこで、疑問が浮かぶ。この変形性関節症には、発症リスクを上げるファクターが存在していると考えられる。ならば、そのファクターとは何であろうか。

冒頭のような背景の中、アメリカの大規模な動物病院グループであるバンフィールドは、過去22年間(1998年〜2019年)に同院を訪れて、且つ、2019年内に死亡した犬を対象にして、彼らの年齢、性別、体重、BCS、手術歴(不妊・去勢手術)、不妊・去勢手術に臨んだ年齢と、変形性関節症との関連性を調べる研究を行った。すると、13万件を超えるデータが集積され、高齢であること、成犬になってから体重が増えること、手術歴があること、不妊・去勢手術に臨んだ年齢が若いことが変形性関節症に関連していることが判明したという。

上記のことから、不妊・去勢手術を行うべきではないということにはならないと考えるが、その手術のタイミング、そして術後の体重管理が非常に重要だと言える。よって、手術のタイミングに関する議論が深まり、不妊・去勢手術後の体重管理に関するガイドラインが作成されることを期待している。

性別とBCSは犬種によってファクターになり得るようですが、犬全体ではファクターとは言えないとのことです。

 

参考ページ:

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fvets.2023.1275964/full


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