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ゾニサミドを投与された特発性てんかんの犬に起きた多発性関節炎とブドウ膜炎

投稿者:武井 昭紘

偽リンパ腫(犬)過敏症症候群(猫)汎血球減少症(猫)。抗てんかん薬の代表格であるフェノバルビタールは時折、珍しいと言うべきか診断が難しいと言うべきか、一次診療の獣医師が想像もできない副作用を起こすことがある。一方、日本でも流通しフェノバルビタールの代わりに使用されるようになった抗てんかん薬の一つであるゾニサミドは、これらの副作用を解消する比較的安全な薬剤として報告されている。そこで、疑問が浮かぶ。果たして本当に、ゾニサミドには想像もできない副作用は起こらないのだろうか。

冒頭のような背景の中、サンディエゴの動物病院は、難治性のてんかんに対する治療でゾニサミドを投与されたシベリアン・ハスキー(7歳齢、去勢オス)に起きたある副作用を報告した。それによると、罹患犬はゾニサミドを投与するようになってから多発性関節炎と前部ブドウ膜炎を発症したという。また、ゾニサミドの中止から数週間以内に、これらの症状は解消されたとのことである。

症例を報告した同院は述べる。多発性関節炎は勿論のこと、前部ブドウ膜炎も免疫介在性ではないだろうかと。そして、訴える。その免疫反応はゾニサミドの投与がキッカケになったのでないかと。よって、今後、類似の副作用の発生状況を世界的に調べる研究が進み、因果関係が明確になることを期待している。

ゾニサミドの用量は一般的な推奨量であったとのことです。

 

参考ページ:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38403976/


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